伊右衛門日記
2004-10-17T15:52:22+09:00
hiroshi_wada4
初心者ハイキング
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初心者ハイキング
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2004-06-29T12:58:10+09:00
2004-10-17T15:52:22+09:00
2004-06-29T12:58:10+09:00
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Biririririri-!!!
いつもの休日前のように忘れたいことも忘れるような飲酒をした翌日、いつものような日曜日がやってきた。ただ違うのは、日曜日に一番不釣合いな目覚まし時計で起こされたこと。
「誰なんだよ一体!!」
だれも聞いていない、誰にも聞いてもらってるつもりもない無意味な独り言で、寝床から這い出し、ああ今日はハイキングだったと思い出して窓の外を覗くとどんよりした、今にも雨が落ちてきそうな曇り空だった。
「コリャ中止やな」
思った瞬間、日曜の楽しいイベントが次々と頭に浮かんでくる。思いつきばかりで、調子のいい会社の部下に誘われて今日のハイキングに生返事でながらも安請け合いしたのはいいが、それは単に健康診断の結果である、「総コレステロール:230m/dl」と言う値はどうやらかなりやばいらしいと先週のゴルフで健康マニアの先輩にしてきされて不安になった勢いで言っただけのことである。ハイキングなんぞしたことなければ、今日何処にいくのかも勿論知らない状況だ。中止となればいつもの休日が俄然楽しく思えてくる。行き先は勿論梅田のWINSだ。
「えっと今日のレースはと・・・♪♪♪」
ファーストキッチンでベーコンレタスバーガーを買い込み、裏通りに回ってワンカップを酒屋二軒に分けて3本づつ買い込む。二軒に分けるのは、もちろん、店員の(アル中とちゃうか)という目を逃れる為である。その足でWINSにいく足取り!!!。足取りが軽く、というか、浮き足立つ。そのことを思うだけで、アドレナリンがジュクジュクでて、ぞくぞくする。
Riririri-!
「なんだー!」と思いながら電話をとると・・・。
「めっちゃ晴れです、曇りのち晴れ、行きましょね、じゃぁ、ゆうとったまちあわせのとこで!」
調子いい部下からの電話。もしこいつからの電話だったら、調子が悪いから中止というはずのものが・・・。目論見が外れてしまった。
9:00AM
待ち合わせにきたのは、例の調子のいい部下一人。あとの面子はー、と聞くと、「いませんやん、二人できっちりやりましょうやん」。なにをきっちり(やりましょうやん)と思いながら、駅を降りてすぐに始まる上り坂を登る。目の前に迫る山を見て初めて自分がいつもと同じ休日の朝九時の二日酔いだと思い出してペットボトルを三本買う。弁当を持ってきていないから軽かったなとおもったリュックが一気に重くなるが、その場で一本飲んでしまったことを考えると、やっぱり今日は体調不調ということにすべきだったと思う。
しばらく歩くと、人だかりが川底をみてあーだこーだいっているので、何かと思って「天上川」という天井川になりそうな川床を覗くと三匹の猪がのそのそといる。豚以外の猪類を見たのは初めてだったので、(この辺はボタン鍋が名産か、今日の晩はいいもの食べよう)と調子のいいことを思ったが、そういえば、テレビのバラエティー番組で、「猪がもっとも市街地で徘徊する地域」として取り上げられていたのを思い出して、自分が今向かおうとしている山はどんなだろうと、不安な気持ちにさせられる。
住宅地が依然続くが、勾配がきつく、もう息があがりそうだと思った頃、まだまだ住宅が続いているのをみて、自分の体力がないのではなく、多分この辺の住宅出身の若者が、心配能力も高く、スポーツ選手になるんだろうと自分を言い聞かせ、納得させた。
10:00
急な上り坂をぐいぐい登るが、一向に山道に入る気配がしない。自転車通勤がまず無理だろうという勾配のアスファルト道をひたすら登る。これくらいのさかじゃ、自転車に乗ったりしようものなら上り坂で自転車から降りなければいけないのはともかく、下り坂での事故を避けようとすれば、サーキットレーサーなみのハンドリングとブレーキングが必要だろう。はっきり言ってここは、山の手というより山の中につくった街といったほうがしっくりくる。早くも酸欠になりそうな頭に浮かんできたのはさっき見た猪。街の中まで出てきて騒ぎを起さんばかりになっている、猪さんだったが、彼らにとって見ちゃ街に似た山でうろうろしているに過ぎないんだろう。
と、思いながら本当の山道に入る。というか、舗装道路から土や石のごろごろした道にようやく入る。マイナスイオンが充満し、心の奥底まで癒される快適に身を任せているとようやく体が軽くなってくる。時計を見ると出発から20分。普段怠惰な生活を続けていた体は、無酸素呼吸から有酸素呼吸にかわってからだが楽になるために、通常の倍の時間がかかるらしい。通常、アスリートと呼ばれる人間の体は、陸上の400m走が無酸素呼吸の限界と言われているように、数分で有酸素呼吸に切り替わる。それがこの俺は20分だ。いったい全体情けなくてしょうがない。しかし、その垣根を越えると、同時に、エネルギー源が筋肉中のグリコーゲンから脂肪が分解されて出来る脂肪酸に切り替わって呼吸のリズムが変わってくる。どんどんいけるぞ、このまま目標の六甲山を越えて、どんどんと世界遺産の吉野まで足を伸ばせそうだ。いままで、サラリーマン人生を送ってきたが、調度人生最後のギャンブルに出たいと思っていたところだ、登山家になっていろいろ世界の山に登るのも悪くないかもしれない。と、これほど、スーパーポジティブな考えが出来てくるのも、もちろん運動の効用でエンドルフィンなるホルモン物質が延髄からジュクジュク出てきているからに他ならないことは、この場では忘れている。
ひょっと振り返ると、さっきまであんなにうるさかった後輩が、無言で付いてきている。「なさけないなー」と声をかけても返事が帰ってこない。やっぱり俺の体力は若い衆じゃかなわないんだなと善意の解釈をする。ハイキングなんて遊びだと思いながらも、体力が若いもんにまけていないという満足感がますます快適さに輪を掛ける。そういえば、遊び遊びと誘われて偶にいくゴルフほどつらいもんはないもんだ。うまけりゃいいが、そうもいかない。うまくなろうと週末は練習場にいくが、打った打球が外野フライになればまだいいほうで、大概は地を這う強烈な内野ゴロだ。しかも内野の正面をつく強襲ライナーよろしく、うまいことおいてある籠にすっぽり入ったりして打ちひしがれることになること請け合いだ。それにくらば、この歩くだけのハイキングはどうだ、つらいのは最初の三十分だけ、あとはこんなに楽じゃないか。
脂肪酸がどんどんと血中に溶け出していくのをヴィジュアルで感じながら、腹巻よろしくこびりついた脂肪が少しづつなくなっていくのを思い浮かべてみる。昨日食べた軟骨から揚げと、豚の角煮はもうなくなっただろうか?
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